創業に関する基礎知識

起業を考える②|自身のビジネスモデルを可視化する

起業や独立はしたい。でも何をやっていいかわからない、何から考えればいいかわからない。そんな方もいるのではないでしょうか。創業支援ナビでは複数回に分けて起業する上で必要な事業構想の考え方について解説していきます。
第2回目は「自身のビジネスモデルを可視化する」として、ビジネスモデルキャンパスのフレームワークを活用して解説します。ビジネスモデルキャンパスを活用することによって、自身の事業を俯瞰的に見ることができ、起業にあたり足りている部分、不足している部分が明確になり、起業後のリスクを減らすことができます。

 

俯瞰で捉える

起業して、事業を行う上で大事なことの一つに、自身の事業を俯瞰で見ることのできる視座を身に付けることがあります。

俯瞰の意味について、weblio新語時事用語辞典 では以下のように解説しています。

俯瞰とは、高い所から物事を見下ろすこと、あるいは、広い視野で全体を把握することである。

起業するにあたっては事業責任者である自身が、広い視野を持って事業の全体像を常に把握できる能力が必要になります。

 

ビジネスモデルキャンバスとは

Business Model Canvas(ビジネスモデルキャンバス・BMC)は、新しく起業する場合、新たな事業を始める場合、既存のビジネスモデルを可視化、視覚化する際に活用する、スタートアップテンプレートです。事業や企業の製・サービスの価値提案や事業を行う上での関係者や必要な資源、顧客との関係、財務などを1枚のシートで簡潔にまとめることができます。

 

ビジネスモデルキャンバスの9つの構成

①顧客セグメント・CS(Customer Segments)

「誰に価値を提供するのか」「最も重要な顧客は誰なのか」を書き出します。
消費者やお客様という表現ではなく、グループ化して書き出します。
例として中古車の事業を書き出す場合は、①低予算で車が欲しい人 ②運転初心者の初期の選択肢 ③車を売りたい人 などとなります。

②価値提案・VP(Value Propositions)

①顧客セグメント欄に書き出した顧客像に対して「どんな価値を提供するのか」「どういったニーズを満たすのか」を記述します。
中古車事業の例として ①低価格 ②低価格、心理的安心感 ③売却益、買換え資金 などです。

③チャネル・CH(Channels)

①に書き出した顧客に対して、どのような手法でサービスを提供するかを記述します。
コミュニケーションツール(広告・SNS)、流通の仕組み、販売チャネル(店舗・ECサイト)、アフターフォローなど、商品やサービスの提供までの仕組みや、プロモーションの手段を設定します。
中古車事業の例としては、実店舗・インターネットでの売買・オークションなどになります。

④顧客との関係・CR(Customer Relationships)

①に書き出した顧客と、どのような関係を構築するか、どのように関係性を維持するかを記述します。
③であげたチャネルがタッチポイントでこの項は手段となります。
中古車事業の例としては、3年保証やカスターマーサービスでの対応、乗換えサービスなどになります。

⑤収益の流れ・RS(Revenue Streams)

顧客が支払う「価値」「サービス」「仕組み」を記述します。
購入時だけ支払う場合や、継続的に支払い続ける場合など、様々な収益の流れがあります。
中古車事業の例としては、購入費、月額払い、買取り、オークションへの販売などになります。

⑥ リソース・KR(Key Resources)

事業を行う上で必要な「リソース」を記述します。
物理的な資源、知的財産、人的リソースも含まれます。自社で保有するものもあれば、パートナーから提供されるリソースもあります。
中古車事業の例としては、運営のノウハウ、ブランド力、車両、買取いセンターなどになります。

⑦ 主要活動・KA(Key Activities)

事業を行う上で主要な活動は何かを記述します。
製造や販売、また他社との差別化や、市場を獲得する上で必要な重要アクションにフォーカスして考えます。
中古車事業の例としては、ノウハウの蓄積、広報・マーケティング、車両の整備・補修、net買取センター、コールセンターなどが入ります。

⑧ パートナー・KP(Key Partners)

事業を行う上で外せない、協業パートナーを記述しますやネットワークを記述します。
仕入れ先の場合もあれば、卸先の場合などもあります。フランチャイズビジネスなどであれば、運営元などが入ります。
中古車事業の例としては、車両オークションなどになります。

⑨ コスト構造・CS(Cost Structure)

事業を行う上で発生するコストを記述します。
固定費と変動費を分けて考えると整理できます。
中古車事業の例としては、固定費・・家賃・システム使用料・人件費など 変動費・・手数料・広告宣伝費など

記入例(中古車事業)

ビジネスモデルキャンバスの活用方法

ビジネスモデルキャンバスは事業の全体の流れを俯瞰的に見るために活用します。新規創業時に自身の考えをアウトプットする際や、金融機関などに融資を依頼する際にPL(損益計算書)や事業計画書と一緒に開示すると、事業の構造やスキームをわかりやすく伝えられるでしょう。
より細かく具体的に事業構想を深めていくには、他のフレームワーク(アンゾフの成長マトリクスやPPM、SWOT分析など)と併用するのがおすすめです。

 

ビジネスモデルキャンバスを活用して自身の考えを整理するところからはじめよう

ビジネスモデルキャンバスの仕組みと参考例を紹介しました。最初のうちはどの欄に、何を記述すればいいのか、また記述しても適正な位置や内容ではないこともあると思います。まずは失敗を恐れずに全ての欄を埋めてみるところから初めて、修正を繰り返しながら自身の思考を整理していきましょう。また同業他社の事例を書き出してみることで、そのビジネスモデルを行う上で重要なポイントが見えてくることもあります。繰り返し利用して、ビジネスの基本的な考え方を身に付けましょう。

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