創業に関する基礎知識

創業資金をクラウドファンディングで?基本知識と活用方法

ニュースや新聞のメディアやSNSなどでも目にすることが多くなってきたクラウドファンディング。創業時に活用する事例なども取り上げられていますが実際のところはどうなのでしょうか?クラウドファンディングの仕組みや創業時の活用方法などを解説いたします。

クラウドファンディングとは

クラウドファンディングの仕組みは不特定多数の人からお金を集めるものだとおおよその仕組みを理解している人は多いのではないでしょうか。クラウドファンディングの種類や流れについて解説いたします。

クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。

資金調達といえば、一般的に金融機関からの借入や関係者・ベンチャーキャピタルによる出資などがあげられます。クラウドファンディングは、そういった資金調達にはない「手軽さ」や「拡散性の高さ」、「テストマーケティングにも使える有用性」といった点が魅力的な新たな資金調達の仕組みとして近年注目されています。

中でも、「こんなモノやサービスを作りたい」「世の中の問題をこう解決したい」といったアイデアや想いを持つ人は誰でも“起案者”として発信でき、それに共感し「応援したい」「モノやサービスを試してみたい」と思った人は誰でも“支援者”として支援できる、双方にとっての手軽さがクラウドファンディング最大の特徴といえます。

引用元:CAMPFIRE

クラウドファンディングとは実行したプロジェクトに対し、web上で広く資金提供を求める仕組みです。クラウドファンディング登場以前、資金調達の手段は金融機関や個人からの借り入れなどが主流でしたが、クラウドファンディングが登場したことにより、事業の可能性を不特定多数の人に伝えることで、資金提供を求めることが可能になり、支援者を広く集めることができるようになりました。
日本では昔から勧進と呼ばれる神社、仏閣を修繕するための地域住民による寄り合いの寄付制度があり、その制度の現代版と解説されることもあります。

クラウドファンディングの市場規模

クラウドファンディングの市場は年々右肩上がりで伸び続けて、起案者、支援者共に増加しています。2018年度は推定で、約2,050億円となっています。多くに人がクラウドファンディングに関わってきていることがわかります。

クラウドファンディングの種類

現在、クラウドファンディングには「購入型」「寄付型」「株式型」「融資型」「ファンド型」「ふるさと納税型」があります。
創業時に活用できるものとしては「購入型」・「融資型」があてはまります。

 

購入型

購入型クラウドファンディングとは、起案されたプロジェクトに対して支援者がお金を支援し、支援者はそのリターンとしてモノやサービスを受け取る仕組みのクラウドファンディングです。

支援者は起案者がリターンとして設定した商品やサービス等を購入する形で支援をすることができます。購入型クラウドファンディングには「All or Nothing」「All In」の2種類のやり方があり、起案者はどちらで資金調達をおこなうか選ぶことができます。

「All or Nothing」は、募集期間内に目標金額を達成した場合のみプロジェクトが成立し実行されます。全てのプロジェクト資金をクラウドファンディングで集める場合は「All or Nothing」を選択することが多いです。

「All In型」は、目標金額に達していなくてもプロジェクトの成立が認められます。ただし、起案者は掲載時にプロジェクトの実施を確約する必要があります。クラウドファンディングでの目標金額の達成に関わらずプロジェクトを実行することを決めている場合は「All In」を選択することが多いです。

代表的なサービスには「CAMP FIRE」「FAAVO」「polca」「Readyfor」「Makuake」「A-port」などがあります。

融資型

融資型クラウドファンディングとは、事業者(運営業者)が仲介し資産運用したい個人投資家から小口の資金を集め、大口化して借り手企業に融資する仕組みのクラウドファンディングで「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。
融資型クラウドファンディングは、個人から集めた資金を「融資」するという形であり、支援者は金銭的なリターン(利息)を得ることを目的としています。購入型より厳しい目線で支援事業を選択します。

代表的なサービスには、「CAMP FIRE Owners」「SBIソーシャルレンディング」「funds」などがあります。

スモールスタートには購入型がおすすめ

「融資型」の支援者は金銭的なリターンを求めています。事業の骨子が整備され、スケール(事業成長)が見込める創業や事業開始であれば挑戦してみる価値があります。金融機関は先進的な前例のない挑戦には資金を融資しにくい側面があると言われますので、革新的で世間から注目を得られる可能性があれば「融資型」もいいでしょう。

「購入型」は支援者に「商品」や「サービス」をリターンとして用います。「早割特典」や「自分が応援したお店」といった親近感を支援者に持ってもらえるのも特徴です。

「購入型」は「融資型」に比べ目標金額を低く設定することや、支援金額も数千円から一万円程度の設定が多いので、スモールスタートでの創業を考えている場合などでは「購入型」がおすすめです。

創業時にクラウドファンディングを使うメリット

創業時の資金調達方法は、須賀川市の制度融資、日本政策公庫の創業融資、一般借入、その他時期によっては、創業補助金が利用できる場合もあります。
(須賀川市の2019年度に実施された創業補助制度の一例 http://sogyoshien.jp/subsidy-system/

上記の融資や補助制度以外に創業時の資金調達の手段として活用され始めているのが、「クラウドファンディング」です。

時期や条件に縛られない

制度融資や創業補助金は条件や年間予算が限られている場合が多く、年度末には使えないことなどがあります。それに対し、クラウドファンディングは年間を通していつでも誰(虚偽の表現や反社会的な活動以外)でもプロジェクトを開始できます。

成功報酬

クラウドファンディングサイトに起案者のプロジェクトを掲載し、支援の募集をかけるシステム手数料、サービス手数料と呼ばれるお金は、成功報酬になっています。「All Or NoThing」の場合、目標金額に達した場合のみプロジェクトが実施されますので、その場合は20%前後の手数料が発生します。未達成の場合は事項負担は無料になります。(広告などは別途) 「All In」の場合は目標金額に達しない場合でも、1人からでも支援を受けるとプロジェクトは実施する形になりますので、集まった支援金額の20%前後が手数料として発生します。

広告宣伝として

クラウドファンディングのサイトには無料で掲載できます。アーリーアダプターといわれる、新しいものや情報をが好きな層や、地域活性、地域貢献に関心のある層はクラウドファンディングサイトの情報をチェックしているので、訴求効果は期待できます。また、興味を持ってもらえる内容であれば、その人たちがインフルエンサーとして情報を拡散してもらえることもあります。
また、新聞やテレビなどのメディアも現在注目されているクラウドファンディングの情報は取り上げやすいので、取材を受けて無料で掲載や放映されるという事例も多々あります。
プロジェクトを起案して、目標金額が達成できなかったとしても、創業時の宣伝広告の価値としては見込めます。

クラウドファンディング補助金

福島県や須賀川市ではクラウドファンディングにかかる手数料の補助金を設けています。いくつかの条件を満たすプロジェクトの場合、補助を受けることができます。

クラウドファンディングのデメリット

プロジェクトページの作成

クラウドファンディングのサイトに掲載するには、プロジェクトページの作成が必要となります。サービスごとにわかりやすくページ作成の手順説明や雛形は準備されていますが、プロジェクトの概要や思いのたけを、見ず知らずの人に伝えるためには、文章力や画像の準備などは必要になります。こういったページ作成も基本は自分で行います。ページ作成のサポートや画像の加工、動画作成などを外注する場合には有料になります。

振込期間

プロジェクトの準備から掲載〜掲載終了までは、おおよそ3ヶ月が目安となります。プロジェクト終了後、支援者から集まったお金は、手数料を引かれた後に起案者の口座へと振り込まれます。サービス提供会社によって異なりますが、プロジェクト終了の翌月または翌々月となる場合が多いです。最近では振込までの期間を短く調整しているサービスもありますので、事前に確認するといいでしょう。

募集金額

クラウドファンディングは不特定多数の人から支援を集める仕組みで、これまでには数千万、数億円を集めたプロジェクトもあります。しかし、それらは革新的で完成度の高い全体の中のわずか数件のプロジェクトです。
募集金額の平均はサービス業関係で50〜100万円、デバイス関係で100〜200万円と「クラウドファンディングカンファレンス」のサイトでは記載されています。日本政策金融公庫の【2018年度新規開業実態調査】によると、開業資金の中央値は約600万円となっていますので、開業資金全額をクラウドファンディングで集めるのは難しいといえるでしょう。

SNSの活用

クラウドファンディングはお金を集める仕組みで、お金が集まる仕組みではありません。サイトに掲載しただけでは、限定的な人の目にしか触れません。そのためにSNSやメディアを活用して、より多くの人に情報を届ける必要があります。これまでに全くSNSをやったことがない、自分の情報を外に出すのは恥ずかしいという人には難しいでしょう。

おすすめはプラスαの資金と広告宣伝としての活用

上記のように創業・開業資金の全てをクラウドファンディングで集めるのは難しいといえるでしょう。
おすすめな活用方法としては、創業・開業にかかる最低限の資金作りの目処は計画しておき、その上でクラウドファンディングを活用することです。例えば500万円の金融機関からの借り入れがクラウドファンディングを実施したことで400万円の借り入れですんだ。資金計画上、諦めていた什器の設備投資に充てることができた。などプラスαとして活用することで、開業後の負担を減らすことができます。
また、クラウドファンディングのサイトへの掲載は無料で行えますので、そのメリットは最大限活用して、創業・開業前の告知や、早期予約の獲得といった使い方は積極的に行うべきです。
クラウドファンディングでプロジェクトを支援してくれる人は、その事業のファンであり、応援者になってくれます。創業前に応援者を獲得できるのはとても重要なメリットとなります。

これらの情報を踏まえ、創業・開業時にクラウドファンディングの活用をご検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

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