創業に関する基礎知識

女性が活躍! スキルを活かして収入UP 副業という起業準備

女性は、ライフイベントの変化によって仕事を辞めたり働きかたを見直したりすることが少なくありません。育児・介護などで時間的制限を受けている人のなかには、時間に余裕ができたタイミングでサラリーマン的に働くか思い切って起業するか悩む人も多いでしょう。

今回は、育児中の在宅副業をきっかけとして起業した女性にインタビューを行いました。育児期間を活用した起業・副業の一例として、ぜひご一読ください。

環境・背景

フリーランスの在宅Webライターとして活躍するAさん(30代女性)は、会社員(3~5年に一度全国転勤あり)の夫と2人の息子(小学生・幼稚園児)を持つ主婦でもあります。

まずは、Aさんが在宅Webライターを目指すに至った背景について解説しましょう。

Aさんの職歴

Aさんは大学卒業後すぐ地元(関西)の機械メーカーに就職しましたが、結婚と最初の転勤が重なったため約3年で退職し関東へ転居しました。

その後Aさんは正社員として再就職→退職と2回目の転居(転居直前に妊娠がわかったため、退職後そのまま専業主婦に)→副業としてのライティング仕事を経験し、副業開始後5年で個人事業主となって現在に至ります。

在宅で働くことを選んだ理由

Aさんが最初に就職した会社は産休・育休を取りやすく、子育てと両立しながら働いている人が何人もいました。先輩たちに影響されて結婚・出産後も仕事を続けたいと考えていたAさんですが、結婚と引っ越しが重なり寿退社することになったのです。

結婚への後悔はないものの「自分の力でお金を稼ぎたい」という希望が強かったAさんは、職業訓練の一環で行ったインターン先(金属加工メーカー)からの誘いを受けて就職しました。なお、このときは転勤族であることを了承のうえで採用されたとのことです。

2度目の正社員経験を通して多くの経験を積んだAさんですが、2度目の引っ越しと出産を経験したことで両実家ヘルプなしの育児と仕事を両立する自信を失ってしまいました。正社員にこだわらなければ転職のハードルは下がるものの、「何度も新しい仕事先を探して新しい環境になじみ直すのは、自分にはとても無理」とAさんは語ります。

しばらく子育てにいそしんでいたある日、Aさんはひょんなことからクラウドソーシングに興味を持ちました。クラウドソーシングから副業~起業に至るまでの経験を、Aさんはこう振り返ります。

「最初は、軽いアルバイト気分で簡単な仕事をいくつか受けてみました。正社員だったころと比べるとわずかではありますが久しぶりに自力で稼げたという達成感が大きく、以後は簡単な案件をいくつもこなしながら実績を積んでいきました。

今はフリーランスならではの苦労もありますが、『辞令が出たら辞めないと』というストレスから解放されたことで精神的にかなり楽になりました」

過去の経験を、どのようにライティングに活かしているか

Aさんの前職はいずれも理系寄りの業種ですが、文系出身のためかしばしば文章作成(自社製品の取扱説明書など)を任される機会がありました。Aさん曰く「不特定多数の人に読まれることを前提とした文章作成の経験が、少なからずライティングに活きている」とのことです。

あとは、ビギナー向け案件でひたすら経験を積んだことが大きいでしょう。時給換算すると驚くほど低い案件もたくさんあったものの、Aさんにとってはお金をもらいながらスキルを磨けるよい機会でした。

 

仕事の内容

今のところ、Aさんが受けている案件の大半はコラム系文章(2000~4000字程度、案件によってジャンルはさまざま)とのことです。たまに単発案件を受けることもあるものの、現在は半年以上の付き合いがあるクライアントからの案件がメインとなっています。

基本的な作業スケジュール

Aさんの稼働日は平日のみ、1日の作業集中時間は8時半~15時くらいです。ただし、納期が迫っているときなどはほかの時間帯に作業することもあるそうです。
今年から次男が幼稚園に上がったことで、Aさんは子どもたちが家にいない時間を使って執筆に集中できるようになりました。家事と同時進行ではありますが、スキマ時間(お昼寝中など)を作業に充てていたころと比べると大きな差があるとのことです。

 

どのように仕事の依頼を受けるのか

現在、Aさんはクラウドソーシングサイトやライター募集サイトなどを活用して仕事を獲得しています。基本的な仕事の流れは、以下の通りです。

・条件(記事単価・ジャンル・文字数・納期など)のよい案件を探して応募、またはクライアント側から仕事依頼をもらう
・採用決定後、詳細打ち合わせ・執筆作業
・初稿入稿後、必要に応じて修正・フィードバックをおこなったのちに作業完了
・クラウドソーシングサイト経由の場合はクライアントとお互いに評価をつけあい、今後の仕事につなげる

Q. クラウドソーシングは本当に稼げる?

クラウドソーシングに関して、「素性がわからない相手から仕事を受けるのは不安」「低単価案件が多すぎる」などの意見をしばしば見聞きします。条件のよい案件にめぐりあえず「稼げない」と諦めてしまう人や、悪質なクライアントに当たって嫌な目に遭う人も少なくありません。
ただ、仕事上の人脈や実務経験がない初心者にとってクラウドソーシングは非常によいチャンスのひとつであるとAさんは考えています。

「月並みな表現ではありますが、焦らず地道に努力したことで今の自分があると考えています。どんな仕事にも言えることですが、初心者がいきなり大きな仕事に手を付けて成功できる確率はごくわずかです。まず簡単な仕事を足掛かりにして実績を積んでいくことで、これまでやりとりがなかった相手からも実力を認められやすくなるでしょう」

 

メリット

ライフスタイルの多様化やコロナ禍をきっかけとした新しい生活様式の浸透によって、さまざまな働き方が実現しています。Aさんのようにさまざまな事情で外で働くことを諦めた人も、工夫次第で起業のチャンスを掴めるでしょう。

働き方や仕事の規模によって大きな差がありますが、Aさんが感じている起業のメリットは以下の通りです。

いつでもどこでも仕事できる

Aさんが在宅Webライターを選んだ最大の理由は、パソコン・スマホとネット環境さえあればいつでもどこでも働けることです。引っ越しが多く1ヵ所に長く勤めにくい人はもちろん、健康上の理由などで通勤が難しい人にもおすすめです。

パソコンとネットを使ったワークスタイルは、パートナーの海外赴任に帯同した人(ビザの関係で働きに出られない人)に注目されています。クライアントが日本語話者であれば日本語を使うことになるため、言葉の壁も関係ありませんね。

自分で仕事量を調節できる

多くのフリーランスは、「今月はしっかり稼ぎたいから多めに」「子どもの夏休み中は少なめに」というふうに自分の裁量で仕事量を調節できます。

育児・介護と仕事を両立させる場合は、予期せぬトラブル(家族の病気や急用など)に対応できるよう余裕を持ってスケジュールを組むことも重要です。無理したために納期を守れなかったり記事のクオリティを下げたりするとかえってクライアントに迷惑がかかり、「あの人は自己管理ができない」と評価されかねません。

人間関係のわずらわしさがほとんどない

気の合わない仕事仲間と長時間同じ空間で過ごす必要がなく、また私用の休みが多いからといって肩身の狭い思いをせずに済むことも、フリーランスの大きなメリットです。近年はオンライン通話やチャットツールを使ったコミュニケーションも盛んですが、わざわざ業務時間外まで一緒にいる必要はありません。

ただ、Aさんは「あまり顔を合わせないからこそ、クライアントとの信頼関係をしっかり保つ努力は欠かせません」と語ります。クライアントによい印象を持ってもらうことでお互いに気持ちよく働くことができ、好感度が上がるほど仕事の融通もききやすくなるためです。

デメリット

個人事業主が従業員を雇わずひとりで事業をする場合、経理・庶務・営業などの仕事をすべて自分ですることになります。これらの作業は経理ソフトなどを使えば楽になりますが、Aさんはこのほかにも起業ならではの苦労を経験しました。

これから起業を目指す人は、メリットとデメリットをよく吟味しながら自分に合った働き方を目指しましょう。

オンとオフの切り替えが難しい

Aさんは普段自宅リビングで作業していますが、気を抜くとオン・オフの切り替えが曖昧になり遅くまでだらだら作業してしまうことがあると語ります。

主婦やママが起業する場合、家族の理解を得られるかどうかも重要なポイントです。家電や外部サービスを使って家事の手間を減らしたり、子どもの世話を家族と分担したりすることで、作業時間を確保しやすくなるでしょう。

運動不足になりがち

Aさんのように自宅でのデスクワークがメインとなる場合はどうしても運動不足になりやすく、さらに長時間のパソコン作業で眼・肩に大きな負担がかかることもしばしばです。

仕事の性質上長時間のパソコン作業を避けられないAさんは、以下のポイントを心がけて健康維持につとめています。

・普段の家事や買い物で、意識して体を動かす
・食生活に気を配り、必要以上の間食はしない
・休日はなるべく家族全員で出かける(運動不足を解消しつつ、家族とコミュニケーションをはかるよい機会)

将来的な目標

現在のAさんは、「最前線でバリバリ活躍すること」よりも「家庭と仕事を無理なく両立しつつキャリアを途切れさせないこと」に重点を置いています。過去には仕事と長男の子育ての両立に悩んだこともあるものの、次男出産前後に約半年の休業期間を経て吹っ切れたとのことです。

「もし今後新たに子どもができたり身内の介護が必要になったりした場合、ふたたび仕事をペースダウンすることになるでしょう。無理やり働いて自分や周囲にストレスをかけるのではなく、ライフスタイルに合わせてキャリアを重ねながらより多くの人に新たな感動と発見を伝えたいと考えています。

今は子どもがまだ小さいため、収入が扶養範囲内になるよう仕事を調整しています。子どもの手が離れて時間に余裕ができたら、これまでの経験を活かして徐々に仕事の幅を広げていきたいです」

これから起業したい人には、起業支援サービスもおすすめ

ここではクラウドソーシングサイトを活用して在宅起業したAさんの例を紹介しましたが、クラウドソーシングのほかにもアフィリエイト・ネット販売などさまざまな分野で女性起業家が活躍しています。また、サラリーマン・主婦業をしながら副業・投資で利益を得ている人も少なくありません。

Aさんは小規模な副業から自力で事業を拡げましたが、これから起業したい人(起業したばかりの人)には起業支援制度の活用もおすすめです。現在多くの自治体・NPO法人が起業支援サービスを実施しているため、まずは自分に合ったサービスを探してみましょう。

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