飲食業の開業は、個人事業主の開業のなかでも上位に入る人気の業界です。最近では独立ではなく、未経験からの飲食店開業も増えてきており、より多くの人がお店をもてる時代になってきました。
飲食店のオープンを考える方がまず悩む点に「開業資金はいくらかかるか」という点があります。
この記事では、事業計画を考える際に考慮するべき項目、開店、開業時にかかる資金、開業後の運転資金など飲食店の開業にかかる資金について解説していきます。
飲食店の開店、開業にかかる平均相場
日本政策金融公庫が集計した資料をもとに、飲食店の開業までにかかる費用の相場について解説いたします。
「情報ソース:政策金融公庫:創業の手引+」
飲食店の開業者、約100人を対象にした調査によると、運転資金を含む開業資金の平均は883万円となっています。これは賃貸での開業であり、不動産取得費は含まれていません。
これはあくまでも平均であり、調理行程や必要とする器具、設備によっての上下、居抜きの活用などによりコストを抑えるなどで差異はでるでしょう。
開業資金を調達、準備する方法
開業資金をどのように準備しているか、その内訳は以下のようになっています。
「情報ソース:政策金融公庫:創業の手引+」
半数以上・600万円弱の開業資金を金融機関などの借入で準備することが調査結果としてでています。
3割程度は自己資金で準備するのが一般的となっています。
資金を準備するのにかける期間(自己資金)
飲食店の開業を考えた場合に、その資金を準備するのに用する期間は以下のようになっています。
「情報ソース:政策金融公庫:創業の手引+」
開業に関する自己資金の準備には、半数弱が1年以内、半数強が1年〜5年となっています。退職金などを活用すれば、短期間での準備も可能な場合も考えられます。自己資金比率が少ないと金融機関からの借入に影響が出る場合もありますので、自身に合った期間を設定し、計画的に準備しましょう。
資金を準備するのにかける期間(借入)
金融機関からの借入の準備に取り掛かる時期は以下のようになっています。
「情報ソース:政策金融公庫:創業の手引+」
70%弱の方が金融機関からの借入に関する準備を開業前の半年以内程度に実施しています。事前に事業計画などを持って金融公庫などに相談に行き、申請から実施までのスケジュールなどを確認することをお勧めいたします。
事業が軌道に乗るまでの期間
事業を開始、開業して売り上げが安定、軌道に乗るまでの期間については以下の調査結果になっています。
約6割の事業者(飲食店を含む)が開業後に事業が安定するまでに要した期間に6ヶ月以上かかったと回答しています。つまり、6ヶ月以上の期間は自己資金、運転資金を取り崩しながら事業を行なっているということだと解釈していいでしょう。
開業することがゴールではなく、事業が安定して月々の収支バランスがとれる状況になり、ようやくスタートだと考え、計画的に運転資金も準備しましょう。
余裕を持った資金計画を
飲食店の開業にかかる費用の平均は880万円程度とありましたが、世界的な情勢、経済状況の変化、エネルギー問題、コロナウイルスなどによる行動の規制など、予期しないアクシデントが起こる可能性は常についてまわります。
情報の収集はもちろんのこと、もしものことを考えて、運転資金を含めた開業資金は余裕を持って準備しておくことにこしたことはありません。
自身を過信することなく、計画的に考えて資金準備を行いましょう。
須賀川市 経済環境部 商工課 創業支援担当
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