出店を考える際に重要な項目の1つに店舗のコンセプトを明確にすることがあります。コンセプトとは店舗の基本的な観点・考え方です。コンセプトを明確にすることで共感するお客が来店し、顧客となっていきます。この記事では、コンセプトの考え方について解説します。
コンセプトとは
コンセプトは店舗のテーマを指します。どのような個性のお店、どのようなストーリ性を持つお店にするのかを決めることであり、そのコンセプトに対して共感を感じる人が顧客となります。
来店するお客さんがお店に対するイメージや、どのような商品やサービスを提供しているのかを判断する材料にもなります。
例えば鮨店を出店する場合
・リーズナブルで気軽に来店できる立ち食いスタイルの鮨店
・良質食材を手間ひまかけたコーススタイルで楽しめる高級鮨店
この2つは同じ鮨店でありながら大きくコンセプトが違い、共感する顧客の層や利用するシーンも変わってきます。
このようにコンセプト=お店の個性、お店の目指す方向性を表します。
コンセプトの決め方
コンセプトを決めるのは店舗のオーナー自身です。自身でコンセプトを決められることも出店する醍醐味の1つであるとも言えます。
コンセプトの決め方は大きく2つに分けられます。
マーケットイン型
マーケットインとは、市場のニーズ(needs)やウォント(want)に合わせる方法です。
例えば、自身の出店する地域、商圏には「回転鮨ではない高単価の鮨店」が欲しい、あったら通うというニーズがマーケット調査などで可視化されているが、現状存在しない。
そのためにコンセプトを「良質食材を手間ひまかけたコーススタイルで楽しめる高級鮨店」に設定し、欲求顕在している層を取りにいく方法です。
一定市場のニーズ(needs)やウォント(want)が可視化されているので、安定した売り上げを取れる見込みがあります。
プロダクトアウト
プロダクトアウトとは市場のニーズ(needs)やウォント(want)に合わせずに、自分の強みややりたいことを優先してコンセプトを決める方法です。
自身の出店する地域、商圏には「回転鮨ではない高単価の鮨店」が欲しい、あったら通うというニーズがマーケット調査などで少ないと判明している。
しかし自分は高級鮨店で修行してきたし、腕に自信もある、だからコンセプトは「良質食材を手間ひまかけたコーススタイルで楽しめる高級鮨店」でいく。という決め方です。
自身のやりたいことを優先するので、自己満足度は高くやりがいは感じられるでしょう。
だだし、調査でわかっているようにそのコンセプトに共感する層は少ないので、事業として安定するには時間がかかる可能性も大いにあります。
一般的に新規事業、新規出店の際にはマーケットインの考え方が望ましいといわれています。これは失敗の確率を極力下げた方が無難だからです。
しかし、自身の強みや強い個性によって貫かれたコンセプトは唯一無二のブランドになります。
自身がどのようなビジネスをしていきたいか、成長曲線を描いていきたいかを考慮しコンセプトは決めましょう。
コンセプトの具現化
コンセプトが決まったら、それを実際に表現する、具現化する必要があります。
高級鮨店のコンセプトなのに、店舗の内装外装がカジュアル、使っている器は量産品では、コンセプトもぶれていて、来店した顧客の共感も薄れてしまいます。
また食材に関しても、仕入れ値を優先して、こだわりの低いものや質の低いものを使うようでは、納得感は下がります。
高単価の支払いを求めるのであれば、食材は元より、内外装、什器、備品など細部にもこだわりをもって高級感を演出する必要があります。
また、接客においても丁寧で高いクオリティが求められるでしょう。
このようにコンセプトと実際のやっていることがブレないように意識、実践することが必要です。
コンセプトばかりが崇高で、実現可能性が引いものは避けて考えるようにしましょう。
方向性・ニーズ・実現可能性
店舗のコンセプトは事業を継続する上で重要な要素、事業の土台となる部分です。店舗の個性、方向性、市場のニーズや実現可能性など複眼的に考えて決定しましょう。
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