はじめに:創業時(出店者)「レジ」は“後回し”にしてはいけない設備
創業準備で多くの人が優先するのは商品、立地、届け出関係。しかし実際に店舗や事業を始めて最初に必要となるのが「レジ」、つまり会計手段です。
特にひとりで事業を始める場合、レジはただの道具ではなく、売上の記録や在庫の管理、キャッシュレス決済への対応など、経営の中心的なツールになります。
この記事では、創業時に導入できる低コストのPOSレジ(販売時点情報管理システム)と、それを支える公的支援制度についてわかりやすく解説します。
POSレジとは?—従来型レジとの違いを整理する
POS(Point of Sale)は、商品が売れた時点の情報を記録・集計し、売上管理や在庫管理に活用できる仕組みです。
従来のレジスターは会計のみを行うもので、売上データの蓄積や分析はできませんでしたが、POSレジはその場で販売データを蓄積し、後から集計・分析に活用できます。
近年はクラウド型POSレジの普及により、スマートフォンやタブレットで操作可能な機器が増えています。
項目 | 従来型レジ | クラウド型POSレジ |
---|---|---|
会計処理 | 〇 | 〇 |
売上分析 | △(手動) | ◎(自動) |
キャッシュレス対応 | △ | ◎(連携可) |
在庫管理 | × | 〇(機種による) |
顧客データ管理 | × | 〇(機種による) |
POSレジ導入にかかる主な費用
- 本体費用(タブレット、プリンター、ドロアなど):5,000円~30,000円程度
- ソフトウェア利用料:無料のサービスも多いが、有料版では月額3,000円〜5,000円が目安
- キャッシュレス決済端末:5,000円~10,000円程度
- 周辺機器(レシートプリンターなど):用途に応じて追加費用あり
事業規模や業種によってはスマホとカードリーダーのみで運用可能な場合もあります。
POSレジは補助金の対象になる?創業者が使える制度
須賀川市「創業等支援補助金」
- 対象経費:POSレジ、タブレット端末などの備品購入費
- 補助内容:対象経費の1/2、上限40万円
- 注意点:申請には「特定創業支援事業」の受講が必要
- 公式サイト:須賀川市創業支援
福島県「起業家支援資金(制度資金)」
- 対象者:創業初期の個人または法人
- 内容:POSレジや備品などの設備投資に使える融資制度
- 特徴:利子補給、信用保証付き
- 公式サイト:福島県起業家支援資金
その他:中小企業庁「IT導入補助金」
一部のPOSシステムはIT導入補助金の対象になる場合があります。
年度や対象事業者の登録状況によって異なるため、事前確認が必要です。
導入時のチェックポイントと準備ステップ
- 自店舗に必要な機能(在庫管理、キャッシュレス連携など)をリストアップ
- 保有機器(スマホ、タブレット等)との相性を確認
- POSアプリの対応OSや周辺機器の要件を確認
- 決済手数料や対応決済サービスを比較
- 補助金を活用する場合は「購入前」に申請手続きが必要
- サポート窓口や公式マニュアルの有無を確認
困ったときの相談先(須賀川市・福島県)
- 須賀川市 商工課/まちなか出店サポートセンター
- 福島県よろず支援拠点(無料経営相談)
- 福島県産業振興センター(資金・制度相談)
まとめ:レジ導入は経営の“起点”になる
POSレジは単なる会計機器ではなく、売上の可視化・在庫管理・顧客対応の自動化など、経営の効率化を担う重要なツールです。
創業初期はコストも限られる中で、補助金や融資制度を活用すれば、初期費用を抑えて効果的なレジ導入が可能です。
事業の立ち上げ段階から適切なレジを整備し、健全な経営をスタートさせましょう。
須賀川市での創業に関する相談・申請窓口
須賀川市 経済環境部 商工課 にぎわい創出係
〒962-8601 須賀川市八幡町135
TEL : 0248-88-9141