事業継続のポイント|新規開業飲食店の継続率は3年でわずか30%の現実

夢を持って長い準備期間を経て開店した待望のお店。しかし現実は飲食店の新規開店後、3年の継続率はわずか30% 10店舗のうち3店舗しか生き残れないことが調査結果に証明されています。
その明暗は何で分かれるのでしょうか。いくつかのポイントを解説していきます。

飲食業はレッドオーシャン

飲食業界は競合がひしめくレッドーオーシャンの業界であることは多くの方が認識していることと思います。レッドオーシャンとは INSEAD (欧州経営大学院)教授の W・チャン・キム と レネ・モボルニュ が著したビジネス書の中に記された言葉であり、競合が少ない市場をブルー・オーシャン、競合が多くひしめく市場をレッドオーシャンと表現しています。

飲食業界は競合も多く、常に競争に晒されます。そのために飲食店経営は難易度が高く、3年以内の廃業率は70%、5年で80%以上といわれています。それでも、毎年数多くの飲食店が市場に参入していきます。

飲食店の競合は飲食店だけにあらず

過去飲食店の競合は飲食店であったかと思います。しかし昨今、コンビニやスーパーのお弁当や惣菜の充実化、お取り寄せ、サブスクの台頭、中食、家食のブームなど食に対する業界は多くの競合が限られた市場を奪い合う状況になっています。

総務省の調査によると、2021年の一般外食の家計消費支出は前年比3.6%減の111,226円。2年連続の減少傾向にあり、2000年以降で最も消費金額の大きかった2000年と比べると62.2%の水準になっています。

業界全体の市場が年々縮小していることが数値にも表れています。

事業を継続するには

事業を継続するにはいくつかのポイントがあります。

損益分岐点を理解する

損益分岐点とは営業の黒字と赤字のボーダーラインです。自分の店舗がいくらの売り上げ、いくらの出費であれば、そのボーダーラインの上にいく(黒字)のか、下に行くのか(赤字)を最低限理解しておきましょう。
損益分岐点は年間、毎月、毎週、1日単位、様々な視点で計測することができます。

売り上げを構築する要素

売り上げを構成する要素は「客数」と「各単価」です。
「客数」×「客単価」で売り上げは構成されます。

売り上げ目標が100万円/月の場合
「客数 250人」×「客単価4,000円」で目標は達成されますし
「客数 500人」×「客単価2,000円」でも達成されます。

自店舗を成立させることのできるビジネスモデルを明確にしましょう。

自社のコンセプトを明確に

上記の売り上げ目標が100万円/月の場合
「客数 250人」×「客単価4,000円」でも「客数 500人」×「客単価2,000円」でも同じ売り上げですが、両者の客層は大きく違うでしょう。
仮にランチが中心の飲食店だとした場合、1人4,000円を支払うお店は高級店であり、年齢層も高めであることが想像できます。
4,000円の料金を顧客に求めるには、味や素材の質はもちろんのこと、店舗の雰囲気や接客、居心地の良さなど様々な点で高品質が店舗にも求められます。
若い顧客を対象とする場合には、流行、トレンド、おしゃれさ、若い顧客にとっての居心地の良さなどが求められるでしょう。
自社のコンセプト「どのような客層」から「平均いくら」を支払ってもらえるか、「滞在時間」は何分で「何人」の顧客にサービスを提供するか、その流れを明確にする必要があります。

集客施策を考える

コンセプトが明確になったら、次に想定顧客をどのように集客するかを考えます。
高い年齢層と若者では情報の収集手段は違います。高い年齢層は、テレビ、新聞、雑誌など4マスと呼ばれる分野での情報収集の割合が多いとされています。逆に若い層はSNSやwebなどデジタルを介した情報収集がメインです。
自社の想定する顧客を集客するには、どの媒体を使ったタッチポイントの創出が1番効果的なのか、仮説を複数立て、ABテストを実施するなどしてより効果の高い集客施策を確立しましょう。

継続している店舗を分析し要素を抽出

往々にして、5年廃業率80%を超えて継続している店舗は、ビジネスモデル、コンセプト、集客施策どの要素も適正に構成されているはずです。
それらの店舗を分析することで、継続するためのヒントが見えてくるでしょう。
特に自店舗が参考にすべき他店舗を注意深く分析し、真似できるところは真似をして理解を深めるといいでしょう。

須賀川市では中心市街地への飲食店の開業を応援しています

須賀川市では、中心市街地が活性していくために、飲食店の出店を応援しています。
まちに人を呼び込める魅力的な店舗の誘致、出店支援の観点から、様々な支援策を策定しています。
須賀川市の中心市街地の出店にご興味がある場合には是非、担当窓口へご連絡ください。

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