この記事では、須賀川市の空き家・空き店舗の現状と推移を踏まえながら、地方の遊休不動産を活用した起業アイデアと、公的支援制度、伴走支援サービス、成功事例をまとめています。まずは須賀川市の現状データをご覧ください。
-
空き家の数
-
令和３・４年度の須賀川市「空家等対策計画」調査で抽出された空き家件数は1,861件 city.sukagawa.fukushima.jp。
-
前回（平成28・29年度）調査と比べ、未使用建物情報の増加が示されています。
-
-
空き店舗の数
-
第３期須賀川市中心市街地活性化基本計画によれば、中心市街地における空き店舗数は令和４年度末時点で約53店舗となっています。
city.sukagawa.fukushima.jp。 -
詳細な数値や過去推移は同計画の実施計画書をご参照ください。
-
空き店舗・空き家活用のメリット
コスト削減と初期投資の抑制
空き物件は一般賃貸に比べて賃料や保証金が低く、改修費用も自治体補助で半額程度に抑えられます。初期投資を抑えられるため、資金繰りの安定化につながります。
豊富な物件選択肢と立地メリット
商店街や観光地近隣の希少な物件が取得可能。活性化促進区域では接道緩和などの特例措置も受けられ、集客面でアドバンテージが得られます。
リノベーションで独自性を演出
古民家・レトロ店舗を活かしたデザインは差別化に有効。専門家設計支援も「空き家対策モデル事業」で補助対象となり、高度改修もサポート
地域資源としてのストーリー訴求
空き家再生を通じた地域課題解決のストーリーは、SDGsや観光プロモーションと親和性が高く、メディア注目や自治体連携の強化にもつながります。
国の支援制度（補助金・助成金・融資）
空き家再生等推進事業（国土交通省）
不良住宅・空き家の除却・活用に要する経費を国費1/2で補助。令和６年度予算約59億円規模で、地方公共団体を通じて実施しています
空き家対策モデル事業（国土交通省）
官民連携によるスキーム構築や改修工事を「ソフト」「ハード」で支援。先進事例の全国展開を目指し、公募が随時行われています（概要）
創業融資（日本政策金融公庫）
無担保・無保証人融資を創業者向けに提供。設備資金は最長20年（据置５年）、運転資金は最長10年（据置５年）で、オンライン面談にも対応 。
中小企業等経営強化法支援（中小企業庁）
「経営力向上計画」認定で即時償却や税額控除が適用可能。設備投資の回収を加速し、補助金申請時にも加点評価を得られます
成功事例インタビュー
事例１：釜石大観音仲見世通りのリノベーション店舗
合同会社sofoがシャッター商店街を改修し直営カフェを開業。クラウドファンディングで資金を募り、開業後１時間で40万円を集める好スタートを切った en-trance.jp。
（復興釜石新聞 2019年1月26日 第760号）
事例２：気仙沼市八日町「みちくさプロジェクト」
住民・商店主・UIターン者が協働し空きスペースで日替わりショップ「てんまど」を整備。昼休憩利用客が増加し、まちのにぎわい創出に成功 chusho.meti.go.jp。
（中小企業庁「商店街活性化事例集」）
事例３：沼津仲見世商店街のチャレンジショップ事業
TMOぬまづが平成13年に空き店舗を若手起業家向けに低料金で貸し出し、まちづくり活動拠点「まちの情報館」を開設。学生や市民団体の交流拠点として定着し、イベントも盛況に chusho.meti.go.jp。
（中小企業庁「がんばる商店街77選」）
事例４：古川町商店街のコミュニティ型リノベーション
地域住民と自治体が連携し、空き店舗を改装。熟成肉店やラーメン店など新業態を誘致し、２階を世代交流拠点「白川ライフアカデミア」として整備。SNS映えする1000個のランタンも設置し集客を強化 kansai.meti.go.jp。
（関西経済産業局「空き店舗リノベーション＆創業による商店街活性化」）
まとめ
空き店舗・空き家を活用した起業は、初期コスト削減や独自性演出、地域活性化ストーリーの発信など、多くのメリットがあります。国や地方自治体が提供する補助金・助成金、創業融資、伴走支援サービスを駆使し、明確な事業計画と並行して申請手続きを進めましょう。まずは本記事で紹介した支援メニューや成功事例を参考に、ご自身の起業プランに最適な制度へ申請をスタートしてください。最新の公募情報や制度改定は必ず各公式サイトでご確認を。
須賀川市での創業に関する相談・申請窓口
須賀川市 経済環境部 商工課 にぎわい創出係
〒962-8601 須賀川市八幡町135
TEL : 0248-88-9141
