アイデアと工夫次第で、海外もマーケットになる
いまは、ローカルの小さな拠点からでもアイデアと工夫次第で海外を相手にできる時代です。ECとSNSが普及し、写真や短い動画、ていねいな商品説明だけで国内外の関心層に直接届くようになりました。大切なのは「どこにいるか」ではなく、誰に・何を・どう語るか。この前提が整った今、福島県須賀川市も地域資源を活かしながら世界とつながるポテンシャルはあると言えます。創業初期でも「小さく始め、反応を見ながら改善する」進め方なら、無理なく越境に近づけます。
あわせて、福島県は県産品の海外販路開拓・輸出環境整備を後押しする補助事業を用意し(福島県公式)、国の支援サイトでは越境ECの学びと事例が公開されています
(中小機構 ebiz/JETRO 越境EC特集)。
世界とつながる“小さな挑戦例”
ここでは個人事業・創業初期でも真似しやすい「小さな始め方」に限定し紹介します。共通点は、写真と説明の作り込み → 小ロット検証 → 改善のシンプルなループです。
1)木製インテリアを“写真と言葉”で翻訳(静岡)
有限会社 豊岡クラフトは、日本製の木製インテリアを越境ECで販売。購入しやすい価格設定、出荷の迅速さ、丁寧な梱包、アフターケアを徹底し、評価を形成しました。大規模投資よりも、撮影・商品説明・梱包基準を先に整えることが効く好例です(中小機構「越境EC 事例集」掲載)。
2)職人如雨露の“用途提案”で不安を解消(東京)
根岸産業有限会社は、職人手づくりの如雨露を越境ECで展開。サイズ・注ぎ心地・手入れなど、購入前の不安を用途提案型のコンテンツで解消し、海外顧客を獲得しました。小規模でも「写真と言葉」で価値を伝える編集力が核になることが分かります(中小機構「越境EC 事例集」掲載)。
3)“京都の四季”を物語にして輸出(京都)
京都花室おむろ(有限会社フラワーハウスおむろ)は、店舗とECを相互補完しながら、季節や文化の物語で理解→購入の導線を設計。国と商品をあえて絞る運び方は、創業初期が真似しやすいアプローチです(中小機構「越境EC 事例集」掲載)。
学びのポイント:どの事例も、(1)写真・商品説明・レビュー運用を先に整え、(2)小さく出して反応を観察し、(3)説明や商品をこまめに改善する流れが共通。これは個人事業でも実装できる「編集と運用」の型です。
創業初期の“進め方”テンプレ
- 1–2商材に絞る:軽量で説明しやすい小物・雑貨・ドライ・キットなどから。
- 写真・説明・価格を整える:写真は「全体/使用シーン/サイズ比較」。説明は素材・サイズ・用途・手入れを明確に。価格は梱包・運用まで含めた現実的なレンジで。
- 小ロットでテスト:PV・問い合わせ・レビューを見て、誤解の多い箇所を説明で補強。
- 理由の言語化:売れ筋/売れない理由(サイズ・価格・説明不足など)を切り分け、商品を直すのか/説明を直すのかを決定。
- 制度で“詰まり”を解消:商談・テスト販売・規制確認など、初期の壁は公的支援でコストと知見を補う。
支援体制と学びの場
福島県|農産物等海外販路開拓支援事業
- 何ができる? 海外見本市・商談会出展、現地テスト販売、検疫・証明、輸送・保存試験などに経費の一部補助。
- こんな人向け:「まずは小さく海外の反応を見たい」「手続きが不安」という創業初期・小規模の方(団体経由での活用も検討可)。
- 最初の一歩:1–2商品で実地の反応を確かめ、必要書類・梱包・温度管理を試して学ぶ → 次サイクルで商品や説明を磨く。
中小機構(ebiz)|越境ECの学びと事例
- 何がある? 無料の講座と事例集。写真の撮り方、商品ページの書き方、在庫・返品の考え方、モールの選び方まですぐ使える基本がまとまっています。
- 最初の一歩:学んだテンプレをそのまま使い、小ロット出品 → 反応で微調整。短い周期で写真・説明・価格の小さな改善を回す。
参考:中小機構「EC活用支援ポータル ebiz」 /越境ECオンライン講座 /越境EC 事例集
JETRO|国別ルールの確認と商談の場
- 何ができる? 狙う国の手続・関税・規制を公式情報で確認。越境EC特集で市場動向や支援メニューも把握でき、JAPAN MALLや共同出展(ジャパンパビリオン)など最初の商談の場が用意されています。
- 最初の一歩:国別の基本ルールを確認 → 合いそうならバイヤー連携や共同出展に参加して、現地の反応を早めに取得。
参考:JETRO「越境EC」特集 /国・地域別:輸出入の基本制度 /JAPAN MALL 事業
創業初期の“超シンプル導線”
- 知る:中小機構(ebiz)でECの型をつかむ。
- 確かめる:JETROで国別の前提(手続・規制)を把握。
- 試す:福島県の補助で小さく実地検証(商談・テスト販売・手続)。
- 直す:写真・説明・価格をフィードバックで改善。
今日できる“小さな一手”から
越境は「大きな勝負」ではなく、編集と運用の積み重ねです。
誰に(国・顧客像を絞る)/ 何を(価値・使い心地・サイズ・物語を可視化)/ どう伝えるか(写真・動画・説明・レビューを設計)を明確にし、小ロットで試して直す。その繰り返しが、須賀川から世界への最短距離です。まずは1〜2商材で、写真と説明を整えて出してみましょう。一歩踏み出せば、次に直すべき点は必ず見えてきます。
参考リンク(公式)
- 福島県:農産物等海外販路開拓支援事業
- 中小機構:EC活用支援ポータル ebiz / 越境ECオンライン講座 / 越境EC 事例集
- JETRO:越境EC 特集 / 国・地域別の輸出入制度 / JAPAN MALL 事業
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