売り上げ・粗利・原価など開業を考えるなら知っておきたい基礎用語

売り上げや粗利・粗利率、原価、経常利益など、商売を行う上では必要不可欠な用語の理解。お店の家計簿的なPL(損益計算書)を記載、理解する上でも正しい用語の意味を理解していなければいけません。
この記事を読むことで必要最低限の用語の理解をすることができます。

損益計算書

店舗や事業を営む上で、理解が必要な帳票に財務三表と呼ばれるものがあります。
BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)、キャッシュフロー計算書です。
このうち、中小企業、個人事業主はBS(貸借対照表)、PL(損益計算書)の2点は理解しておきたいところです。
BS(貸借対照表)は店舗、企業の全体の資産状況を把握するために用います。特定のタイミング(決算日)を基点として、企業の資産・負債・純資産の金額と内訳を示す表を作成します。資本金の増減や現預金、資産(証券、株式、土地、建物など)や負債(借入など)など、店舗、企業の状況、状態が読み取れます。

それに対し損益計算書は、一月単位での収入に対する支出を管理する表になります。家庭でいうところの家計簿の役割を果たします。
損益計算書を使うことで、毎月の業績の流れ(赤字、黒字の額)が把握でますし、各項目(家賃、人件費、材料費)ごとにいくらかかっているかが一目でわかるようになり、傾向と対策を考えやすくなります。

損益計算書で使う主な項目

損益計算書では、経費をいくつかの項目に分けて管理します。管理ソフトや会計事務所、企業によって項目分けは若干の違いがあり、それぞれの業種に合わせてカスタマイズすることが一般的です。この記事ではシンプルに解説しています。

売上

売上とはお客様に商品やサービスを提供したときにいただく代金のことです。企業や店舗においての収入は基本お金であり、これを売上と呼びます。

原価(販売原価)

商品やサービスを提供するために必要な金額です。ある商品を30円で問屋から仕入れて、100円で販売した場合、原価は30円です。500円のカフェオレを100杯販売するために、コーヒー豆や牛乳、砂糖などを合計20,000円分仕入れた場合、20,000円÷100杯=200円となり1杯あたりの原価は200円となります。

粗利

粗利とは、売上から原価を引いた金額のことです。前出の1杯500円のコーヒーの原価は200円でしたのでこの場合500円(売上)ー200円(原価)=300円(粗利)となります。
その日、その月で販売した全ての売上から、使った原材料の金額を引いた額が、その月の粗利額となります。
注意点としては、原材料の仕入れを行った物のうち、使った分だけを原価として計算する点です。仕入れをしたが、使っていない物は在庫として計上します。

粗利率

粗利率とは売上に対する原価の比率を表す数字となり、%で表します。
500円のコーヒーの原価は200円ですので計算式は200円÷500円で40%となります。

経常利益

経常利益とは、粗利から、必要経費を引いた額のことです。
粗利100万円ー経費80万円=経常利益20万円となります。この際にプラスになれば黒字、マイナスになれば赤字と呼びます。

経費の内訳

経費には主に販売管理費、人件費、管理費、地代家賃、租税などがあります。
コーヒーを販売するためには、広告やメニューの作成(販売管理費の一部)、本人の給与、アルバイトの時給(人件費の一部)、水道や電気代(管理費の一部)、お店の家賃(地代家賃の一部)、市県民税(租税の一部)など複数項目で費用が発生します。
これらを区分けして記載することで、どこにいくらかかっているかが明確になり、より利益を残すために傾向と対側を考えるのが経営の基本となります。

用語を理解し正しく経営管理をしましょう

記載したように、正しく経営を行うためには、しっかりと売上や経費の管理を行う必要があります。これをしない経営を「ざる経営」といいます。ざるには穴が空いていて、すくってもすくっても、水が溜まらないことから、お金がいくら入ってきて、いくらでていっているかわからない状態、いつになっても利益が貯まらない経営という意味で用いられます。
こうしたざる経営にならないように、用語をしっかり理解し、帳票管理を正しく行い、計画的な経営を行いましょう。

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