飲食店の開業費用は平均989万円
飲食店を開業する際にどの程度の資金が必要になるのでしょうか?
日本政策金融公庫による2020年度の調査によると開業資金の平均は989万円とされています。
これはあくまでも平均であり、店舗の規模や内容によっては開きがあります。
また、989万円という金額は日本政策金融公庫が調査を開始して以来、最小額となっており、年々コストダウン、シンプル化が進んでいると想像できます。
開業資金の内訳
開業資金の内訳に関しては、日本政策金融公庫が発刊した「創業の手引き+」を参考にすると、約40%が内外装工事費、約20%が機会・什器・備品費、約20%が運転資金、約17%がテナント貸借費として計上されています。
飲食店の開業 主な経費
保証金
賃借物件の場合、入居時に預け入れる資金を保証金といいます。
賃借物件では原則として退去する場合に入居時と同じ状態で返却する「原状回復」が義務付けられていることが多いです。
例えば入居している間に壁を汚してしまった、床を傷つけてしまったなど、何かしら躯体を傷つけてしまうことがありますが、退去する際に、その劣化させてしまった状態を復元するのに保証金が使われます。
礼金
礼金とは物件を借りる側が、貸してくれる大家さんや不動産業者に支払うお礼のお金のことです。
敷金や保証金と違い、返ってくることはありません。
あくまでも貸してくれたこと、仲介してくれたことに対する感謝として支払いです。
これは昔からの慣例でありますが、いささか疑問を感じる制度であり、近年では無くなりつつあります。
設備投資
設備投資とは、店舗の躯体や使用する調理設備など数年に渡って使用し続ける経費のことを指します。
内外装工事費
店舗を開業する際にはまず、業務を営む上でのベースとなる店舗が必要となることがほとんどです。
賃借物件の場合、基本的な店舗の躯体は整備されているでしょう。それに加え、自身のイメージする看板や店舗の装飾などの外装費、壁や床、天井、厨房の仕様、配管などの内装費がかかります。
設備費用
飲食店を開業する場合、調理設備の準備は必須でしょう。
例えば、冷蔵庫、ガスコンロ、洗浄機、フライヤーなどです。
これらは瞬間的に使い切るものではないので設備費用として計上します。
備品
複数年に渡り徐々に消耗していく設備に対して、短期間で消耗するものは備品として計上されます。
店舗の椅子やテーブル、お皿などの食器、調理器具、包装用の紙、レジロールなどです。
その他の費用
その他にも、広告宣伝費やスタッフを採用するための採用費、税理士に支払う費用など、様々な項目で費用が発生します。
注意が必要 運転資金の準備
開業する際に必ず意識しておかなければいけないのが運転資金の確保です。
運転資金とは、開業してからの一定期間、赤字だったとしても事業を運転し、自身が生活して行くための資金です。借入などで準備した資金を満額開業資金に充ててしまったら、開店1ヶ月目で赤字が出てしまったら、資金がショートして倒産してしまいます。 そのために運転に必要な最低金額+生活費などを鑑みて、運転資金を確保しておくことが重要です。
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